人とはちがう「自分」になやんだらどうする?
友達(ともだち)関係の心のもやもやはどうすればいい?
いざというときに勇気(ゆうき)が出せない自分にやきもき…
多感(たかん)な時期に、いろいろなことでなやんじゃうのは、あなただけじゃない。なやみで心が苦しくなっちゃったときに読んでほしい物語。
日本でもなじみの深いようかい、九尾(きゅうび)のキツネの血をひく少女が、仲間(なかま)とともに失敗(しっぱい)を重ねながら成長する、あやかしファンタジーです。
中国、韓国(かんこく)、日本などで昔から言い伝えられてきた、キツネの姿をした9本の尻尾(しっぽ)を持つ生き物。
争いを収める「平和のシンボル」と知られる一方、強力ですさまじい力を持つ存在(そんざい)として知られてきた。
9本の尻尾(しっぽ)の意味、そしてその正体は、今日まで謎(なぞ)に包まれている。
韓国(かんこく)では「九尾(きゅうび)のキツネ」のことを「クミホ(九尾狐)」と呼び、人間の世界にまぎれて暮らしていると言われている―。
日本でもなじみの深いようかい、九尾(きゅうび)のキツネの血を引く少女が、1本ずつはえてくる尻尾(しっぽ)の化身(けしん)に向き合いながら成長するあやかしファンタジー×青春小説です。
1巻のテーマは「人とはちがう自分」。ある日突然“尻尾(しっぽ)”が生えてきたことで自分がふつうとはちがうことを知り、とまどう主人公のダンミ。そんな中、学校の一大イベント「ぞくぞくミッションキャンプ」がはじまって…。人とはちがう「自分」になやむすべての子どもたちへおくります。
2巻のテーマは「友情(ゆうじょう)」。主人公のダンミが何でも話せる1番の親友と思っていたルミ。それなのに、ある日突然(とつぜん)ルミが、よりにもよってあまり好きではない他のクラスメイトと仲良(なかよ)くなってしまった! だったら自分も新しい「親友」を探(さが)そうとしたのだけれど……。「友達(ともだち)関係」になやむすべての子どもたちへおくります。
3巻のテーマは「勇気(ゆうき)」。みんなの前で自分の考えを言えなかったり、いじめられている友達(ともだち)を無視(むし)してしまったり…。かんじんなときに勇気(ゆうき)が出せずにいる中、ハロウィンの夜にとんでもない事件(じけん)が起こってしまった! そして、あの子も「ふつう」じゃないかもしれない……。「勇気(ゆうき)」を出せないすべての子どもたちにおくります。
4巻のテーマは「嫉妬(しっと)」。5年生になった主人公のダンミは、家族、得意なこと、好きな人にとって、自分が一番でなくなってしまい、「嫉妬(しっと)」に心が乱(みだ)される日々を送ることになってしまいます。「なんであの子ばっかり…!」誰(だれ)しもが心に抱(いだ)く葛藤(かっとう)に、丁寧(ていねい)によりそってくれます。
「九尾(きゅうび)のキツネ」の血をひく主人公
スポーツ万能(ばんのう)なダンミの親友
いつも一人でいる少年何かヒミツをもっている
芸能(げいのう)活動もしている気の強いクラスメイト
ダンミの幼馴染(おさななじみ)ユンナとユニットを組む
ダンミが
気になっている
やさしく、物知りな少年
料理(りょうり)が得意(とくい)なパパと「九尾(きゅうび)のキツネ」の血をひくママ
冷静(れいせい)で頭のいい少女
ジホというふたごの弟がいる
ふたごの姉弟。
冷静(れいせい)で頭のいい姉のシホとマイペースな弟のジホ
新しいクラスメイト。雨と風をあやつる、きみょうな存在
おだやかで目立たない子だったが、絵のうまさでダンミのライバルに
ダンミの家に預けられたいとこ。ママの愛情をひとりじめしてしまう
文・ソン・ウォンピョン
ソウル生まれ。西江大学で社会学と哲学を学び、韓国映画アカデミーでは映画の演出を専攻。長編小説『アーモンド』(祥伝社、2019年)で第10回創批青少年文学賞を受賞し、作家デビューを果たした。長編小説『三十の反撃』(祥伝社、2021年)、『プリズム』(祥伝社、2022年)、小説集『他人の家』(祥伝社、2023年)などを発表するかたわら、多くの短編映画のほか、長編映画『食われる家族』の脚本、監督を手掛けている。『CINE 21』映画評論賞、第5回済州4・3平和文学賞を受賞している。
絵・Mr.General Store
カカオウェブトゥーンにてデビュー作「靴下の妖怪」(日本語版はピッコマにて配信中)を発表。温かみのあるイラストとメルヘンチックな作風で多くの読者から熱烈な支持を受け、人気作家としての地位を確立した。しっかりとした世界観で読者の心に訴える「流れ星が落ちるそこで待ってて」(日本語版はピッコマにて配信中)を連載し、個性的でユニークなストーリーを届けている。
翻訳・渡辺麻土香(ワタナベマドカ)
神奈川県横浜市出身。東京女子大学現代文化学部卒業。書籍やウェブ小説、テレビ番組の字幕など幅広いジャンルの翻訳に携わっている。訳書にキム・ヨンソプ『アンコンタクト 非接触の経済学』(小学館)、キム・ドユン『マンガで学ぶ恐竜の生態』(マイナビ出版)、ハン・ミファ『韓国の「街の本屋」の生存探究』(クオン)、オリガ・グレベンニク『戦争日記 鉛筆1 本で描いたウクライナのある家族の日々』(河出書房新社)などがある。